【Further Reading1】Zorba’s Promise【和訳】
学校で習う表現と違う場合がありますので参考程度に見てください。
本文の和訳
タンカーの事故であふれた油に体中が覆われてしまったカモメ。港に住む黒ネコのゾルバは、そのカモメとどのような約束を交わしたのでしょうか。
p116
突然、一羽のカモメがゾルバのとなりに降り立ちました。
「助けて」とカモメは叫びました。
「私は死にかけています。油まみれになっているのです。」
「ぼくはどうすればいい?」
「私はすぐに卵を産みます。私にこのことを約束してください。私の卵を世話して、私の赤ん坊に飛び方を教えてください。」
「ぼくが?」「そう、あなたが。」
「わかった。やってみるよ。」
「ありがとう」とカモメが言いました。
まもなく、カモメは死にました。
彼女の体の下にゾルバは、卵を見つけました。
p117
卵の世話をするのは大変でした。 しかしゾルバは決してあきらめませんでした。
ある朝、彼は目を覚ました。
小さな白い頭が彼をふり返りました。
「ママ。」
「ぼくはきみのママではないよ。でも、きみはラッキーだ。だから、それがきみの名前だよ。ラッキー。」
ゾルバと彼の友人たちは、ラッキーの世話をしました。
ネズミや見たことのないネコたちが彼女をおそいました。
しかし、ゾルバと彼の友人たちが彼女を守りました。
やがて、ラッキーは美しいカモメになりました。
p118
「ラッキー」とゾルバが言いました。
「そろそろ飛ぶ時期だね。」
「なぜ飛ばなければいけないの。ネコは飛ばないよ。」とラッキーは言いました。
「えっと、きみはネコではないんだ。きみはカモメなんだよ。」
「私が?カモメ?」
「そう、きみはカモメなんだ。ぼくはネコ。ネコにはネコのやるべきことがある。カモメにはカモメのやるべきことがある。それぞれ違うものだ。それぞれいいものだ。ぼくたちは違いを尊重しなければならない。」
「だから、私は飛ばなければいけないのですね。」とラッキーは言いました。
「そう、カモメは飛ぶんだよ。」
「私はあなたの助けなしでは飛べません。私に教えてくれる?」
「もちろん。ぼくはきみのお母さんと約束したんだ。そして今度は、きみと約束する。」
p119
ラッキーの飛ぶ訓練が始まりました。
彼女は何度も飛ぼうと挑戦しましたが、いつも失敗していました。
ある雨の日の夜、ゾルバとラッキーは塔へ行きました。
「ラッキー、この空はすべて君のものだよ。つばさを広げて、飛ぶんだ。」
「できないよ。」彼女は泣きました。
「きみならできるよ。きみがそう思えばできるよ。」ラッキーは空中に踏み出しました。
初めは落下しました。
そのあと、彼女のつばさが風をとらえ、彼女は飛び始めました。
「ゾルバ、あなたは正しいです。私は飛べるわ!」と、ラッキーはそう言って、飛んでいきました。
「そう、きみならできる。」ゾルバはだれもいない空に向かってつぶやきました。